生きやすさ研究室の研究員で精神障害者保健福祉手帳2級所持・ADHD当事者の、たつです。
今回、オンラインの座談会のまとめを初めて担当させていただきました。
約7名の参加者で座談会
1月19日にオンライン座談会が開催されました。
前回のオンライン座談会から少し間があいたものの、はじめましての方もおり和やかに始まりました。
得意なことと不得意なことを理解している?
とある事業所で、「得意なことと不得意なことを理解している?」という回答に窮する質問や、上司「出来るよね?」当事者「出来ない!」といった押し問答の経験等が共有されました。
- 行政の窓口等で外見上わからないせいか、手帳を持っていないものと勘違いされる
- 発達障害について、子供に対する合理的配慮はあるものの、大人に対しては無いか僅か
周囲や職場等に対して、得意不得意や特性を理解してもらうために
経済活動と就労支援との狭間や、役所等で特性が理解されにくいことがしばしばあるようです。このことの緩和策として、自己の『取扱説明書』を作成して理解してもらい支援を得やすくすることや、困りごとへの対策が複数提案されました。
- 困りごとのトリセツ:自分の困りごとと希望する配慮を周囲の方々に伝えられる
- 就労パスポート:働く上での自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などについて、支援機関と一緒に整理し、事業主などにわかりやすく伝える
- 室長オリジナルのプレゼンシート:周囲に、自分の得意を活用して組織に貢献出来るという資料をつくることで、不得意による評価減を補う
- 支援機会を増やす対策:何も身に着けていないと、そもそも困っていることに気が付いてもらえないことが多いが、ヘルプマークを所持品にぶら下げておくことでチャンスを増やす
- 音に対する過敏を減らす対策:オフィス等で発生する雑音や声が意識的に選択できず、集中力が維持しにくいため、ノイズキャンセリングヘッドホンで対策をしている
- 並行度を減らす対策:会話に集中するとメモがとれず、メモをとると会話の内容理解がしにくくなるため、会話の録音や文字起こしツール(Androidでは音声文字変換&音検知通知というアプリ、iOSではメモアプリと音声入力など)で文字起こしすることで、緩和する
テーマ『就職活動について』
人との会話が苦手で就職活動に挫折したこと、集団での職場には困りごとが多く対策がとれる環境でないと長続きしないため職場環境は選ばざるを得ないこと、等が共有されました。
- 学生で休学中しており作家活動等で何とか生活を維持している状態で親が公務員で固定的な価値観であった。
- 周囲に職人さんが多い、株とYoutubeの収益だけで生活している人もいて、将来は事業を興したい。
- パートナーがブラック企業にいたときにうつ病で倒れた。コミュニティースペースを運営している。来訪者は会社員が多く、個人事業の方の話を聞くことは新鮮だと言う
置かれている状況はそれぞれ異なるものの、必要に応じて休息し、自己理解と分析・周囲への働きかけを繰り返すことで、少しずつ生きやすくしていくのがよいかもしれません。
あとがき
いきけんradioの1回目と2回目でお話しさせていただきました。
良かったら聞いてみてくださいね。
最近、生活のペースが他の人と比べてゆっくりということがわかってきました。
一人で暮らしていると気が付きにくいのかもしれません。
時には誰かと交流するって大事ですね。