NPOなど団体が活動する時に必要になってくるのが「ファンドレイジング」の意識です。

非営利団体は稼いではいけないのではなく、株式などの会社と違って資金を貯めておくことがNGとされています。

とはいえ、特にNPOにおいては「そもそも稼げない」という団体が多いのが現状です。

ファンドレイジングを成功させる方法

そもそもファンドレイジングとはどういう意味を持つのでしょうか。

ファンドレイジングとは、Fund=基金 を Raising=持ち上げる・高める ことです。 特に、非営利活動の資金集めのことを指し、寄付金・会員の募集から、補助金や助成金の獲得、自主事業収入や委託事業収入なども含みます。

引用元:ファンドレイジングとは?NPOの資金調達3つのポイント

ファンドレイジングの意識

ファンドレイジングは、日本社会に自分たちの行っている活動の価値を認識してもらうと同時に、存在する社会問題について啓蒙していくプロセスのこと。

つまり「単なる資金集めの手段」ではなく「社会を変えていく手段」なんですね。

そのため、潜在的支援者に対して自分のサービスの受益者が抱える問題を説明することが必要になってきます。

NPOが持つ解決策について説明し納得してもらうことで共感が得られれば「施しをお願いする行為」ではなく「共感」してもらい「解決策」を理解してもらうことが可能です。

ファンドレイジングはNPOと社会とのパイプラインであり「良い活動をしているのに寄付などが集まらないのは社会が成熟していないからだ」という発想を捨てることができれば、おのずとファンドは集まってくるものなのです。

日本と海外の寄付の違い

日本は寄付が集まりにくいと言われるが、実は歴史的に大変豊かな助け合いの精神があります。

寄付文化がないのではなく、寄付の成功体験と習慣がないだけ。

ぱっと思いつきで身近で信用できそうなところに寄付をするのは従来の日本に多い形ですが、寄付したあとの結果や変化を見ていきたいという欧米型の寄付へと変化しつつあります。

とはいえ現状では、例えばアメリカではボランティアをした人はきっと寄付もする、という参加型寄付が浸透しており、逆に日本ではボランティアはするが寄付はしないといった流れが多いです。

「つり銭型寄付」ではなく「社会変革型寄付」のパラダイムを念頭に置くことがこれからのファンドレイジングには欠かせないことなんですね。

寄付以外ではNPOの助成金や委託金もありますが、使途が限定的で一番金銭的負担の高いスタッフの人件費には回せないという問題もあります。

ファンドレイジングの基本

ファンドレイジングにあたって大事なことは、活動の質を高めて適切な組織マネジメントを行うことです。

そもそもの質が低い場合にはファンドは生まれません。

ファンドレイジングの基本セットは「夢」+「物語」+「場

その中で更に段階があり、第一階層は活動対象の受益者に起こす変化、第二階層はその団体の事業分野、近隣地域社会に及ぼす変化、第三階層は国や行政、日本人の価値観に及ぼす変化と広がっていきます。

ステークホルダーピラミッドを使った体質改善も参考にして、自分の団体のピラミットを考えてみるのもいいでしょう。

主なものとしては、寄付者がどのように団体に対してコミットを強めていくかの段階を表したドナーピラミッド。 金銭での寄付者に限らず、ボランティアやスタッフ、会員など、団体を応援してくれる関係者を整理するためのステークホルダーピラミッド。

引用元:准認定ファンドレイザー認定試験直前対策、ゼッタイ出る!?10選【12/2に試験迫る!】

ファンドレイジングに必要な人材

理事・ボランティアの巻き込みや関わる人間のポートフォリオ・バランスは良いかも重要になってきます。

  • 理事で対外的ネットワークやコミュニケーション力が最も高い人
  • ファンドレイジング担当理事
  • 過去の大口寄付者
  • ボランティアのうちイベントなどの企画運営力に優れた人
  • PR面のスキルのある人材
  • 事務局長やファンドレイジング担当スタッフ

また、以下の人材がいるかどうか、また信用力を補充していけるかどうかのチェックも必要です。

  • 顧客の顔の見える活動紹介
  • スタッフ顔を見せてパーソナルストーリーを語る
  • 企業や行政との連携を明示する
  • 徹底した情報開示を印象づける
  • 理事会のメンバー構成を真剣に考える

ファンドレイジングに必要な情報

ファンドレイジングは先に上げたように、自分のサービスの受益者が抱える問題を潜在的支援者に対して説明しなければ成功しません。

誠意と善意のコミュニケーションをメカニズム化することが、継続したファンドレイジングを生むのです。

そのために、ACTIONフレームワークを活用するのも良いでしょう。

  • A:相手が気にかける何か(キャッチコピーや写真)
  • C:自らの団体が持つ解決策や変化・革命を起こせるイメージを伝える(希望や夢のメッセージ)
  • T:信頼性(社会的信用の列挙)
  • I:起きている変化や幸せの連鎖を物語化
  • O:オンリーワン感(新しさ感)
  • N:いろいろな機関とのつながりや広がり

会員の制度設計を戦略化し、魅力的にしていくことも必要です。

  • 「実利型」会員制度(会員になることで割引が受けられたり特定の情報を得られる)
  • 「共感型」会員制度(応援したり支援することをポイントとしている)
  • 「仲間型」会員制度(NPOが有するコミュニティのメンバーになるために会員になる)


個人の寄付を集める場合には「あいうえお」の考え方を用います。

  1. あ(愛)利他的な行動
  2. い(粋)ライフスタイルにこだわりがある
  3. う(内輪)所属欲求への期待
  4. え(縁)地縁・血縁・ご縁
  5. お(恩返し・おもしろさ)日本古来の伝統と新しい兆候

ファンドレイジングの心理要素を理解し、アプローチ法をいくつか所持できると団体としても広がりがでてきます。

  • 伝達者あるいは情報の出どころ
  • 伝達するメッセージの内容
  • 周囲の状況

この3つがベースとなり、更に「チャルディーニの6つの心理的要素」を盛り込むことで影響力を武器として活用することができるのです。

「影響力の武器」とは、アメリカを代表する社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏が提唱する心理学に基づいたアプローチ方法である。同氏は著書「影響力の武器」(原題:”Influence: The Psychology of Persuasion” 日本語訳は誠信書房より出版)の中で、人はどのように説得され、なぜ望まれた行動をとってしまうのかについて、心理学的側面から分析・解説。自身の「思わず買ってしまった」「つい寄付してしまった」などの苦い体験も事例としてあげながら、「人を説得し、その人から望む行動を導き出すための“武器”(=アプローチ)」には、6つのパターンが存在すると説いた。

引用元:CONTENT MARKETING LAB
  1. 返報性(恩を受けるとその分お返ししなければならない気分になる)
  2. コミットメントと一貫性(一度引き受けると次回から断りにくくなる)
  3. 社会的証明(多数派に影響される)
  4. 好意(相手に好意を示されると頼みを受けてしまいがち)
  5. 権威(権威のある人の言うことは信じやすくなる)
  6. 希少性(手に入りにくいものは興奮を引き起こし、判断力を鈍らせる)

ファンドレイジングの活用

実際のファンドについては、ドナーレンジチャートというツールを使って試算することもできます。

さて、実は、最近、研修会場等で、「初めて寄付集めをするので、実績がないのですが、ドナーレンジチャートをつくるにはどうすればいいですか?」「新しいプロジェクトへの寄付のメニューをどういう金額枠で用意したら良いでしょう?」というようなご質問を受けました。 そこで、「目標金額」が決まっている新しい寄付キャンペーンや、はじめて寄付集めにチャレンジする場合などに、「どういう金額を何人から募るか・・」という目安がすぐにわかる便利なツール、「Gift Range Calculator」をご紹介します。 このツールが公開されているのは下記です。
https://giftrangecalculator.com/
手順は下記です。
1)https://giftrangecalculator.com/ を開く
2)このページの「Targetl Amount」と書かれているところに、集めたい「目標金額」を入力する。
3)「Calculate」ボタンをクリックする。

引用元:便利な寄付金額計算ツール!

ファンドレイジングの活用で欠かせないのが、計画倒れにならない計画を作ることです。

  • 最初の1・2ヶ月のスタートダッシュの活動をかならず盛り込む
  • うまくいかなかったときに見極めて対処の方法を決める
  • 理事会に実施責任者を決める

これらをよく話し合い、進めていきましょう。

ファンドレイジングのまとめ

ここまでさまざま書いてきましたが、まとめると7つに集約されます。

  1. 組織のミッションやビジョンのメッセージ性の確認
  2. 寄付ニーズと目標金額の確定
  3. 過去の実績の整理
  4. 支援者はなぜ支援しているのかの再評価
  5. 理事やスタッフ・ボランティアなどファンドレイジングの中核として活用できる人材層の確認
  6. 団体が所有する外部ネットワークや場の確認
  7. スタッフや理事・支援者の成功体験の洗い出し

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